乙女心晒し

乙女心という名の恥を晒していきます

私の好きな人

 勉強もスポーツもできるのになんだか自信なさげなところもあって可愛らしくて、クシャッと音が鳴るような笑い方をする人のことを私はずっと片想いしている。もともとおんなじ教室にいた時から星をばら撒きながら息をしていた彼は、脳内でどんどん神化し、今では人間的性的魅力が限界突破していて怖い怖い。彼はもう私の脳内に蜘蛛の巣のように張り巡らされた強力両面テープに捕らえられ逃れられない…かわいそうな彼。私に生き霊を飛ばされ寝苦しい夜があるに違いない。

 彼氏がいるのに好きな人がいるなんて浮気?そんなわけないだろ私はそこまで夢見がちじゃない、だって私は彼と一度も話したことがないんだもの。もし死ぬまでに話すことができる機会が落ちてきたらどうしよう、あなたのお陰で不登校にならずに済みました?あなたのお陰でなんとか生きる方を選び続けられました?どれもキモいな。真意はいつもキモいから、心で涙を流しながら表情筋を総動員し愛想笑いしておくしかない、世間的価値の下がった顔面で。まぁ一生会えないんだから杞憂だけど。

 彼は90%私の手作りで、私の創造力の賜物だけれど、希望を捨ててしまったらもう好きではいられないから全く楽しくない。私はまだ味がするガムを吐き捨てられるほど馬鹿ではないし、不幸に飢えてはいない。私お手製の彼が現実の彼と通じているのではないかという希望を大前提としてこの恋は成り立っている。私はこの希望を捨てる気はないしそもそも捨て方が分からないから、ずっとこの恋を続けられる自信がある。

 

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