乙女心晒し

乙女心という名の恥を晒していきます

中華料理屋でのバイト

  初めてのバイトは中華料理屋のキッチンだった。半年で辞めた。

 

  コミュ障だから絶対に接客は無理だと思ってキッチンにしたのだが、油まみれで中華鍋を振る力仕事をしなければならず大変だった。最初は皿洗いばかりでなんとかやれたが、慣れてくると細かいマニュアルが決められた料理の手順を教えられ、教える人によって方法が違ったりして惑わされた。人に頼ることも下手なので、1度教えられたら次までに絶対できるようにしようと必死だった。お昼時や夕食の時間、食材に溢れた狭いキッチンで鳴り止まない注文のなか料理を急かされるプレッシャーは尋常でなかった。

 

 キッチンはホールよりもコミュ力が無くて大丈夫だろうという目論見は間違っていた。キッチンはいつも3.4人でチャーハン、坦々麺、麻婆豆腐などを役割分担しているから、卓版の順番を確認しながら連携をとって料理を作らなければならない。情報処理遅い系ADHDの私にとって、作業しながら複数人でのコミュニケーションをとることは不可能に等しく、仕事ができない、まともに会話もできない私は周りにずーんと劣等感を漂わせながら足を引っ張り続けた。

 

 同期は3人いたが、3人は高校からの同級生でその仲に入っていけるはずもなく、優しい人たちだったのでなんだか気を使って話しかけてくれたりしたが、ただただ私が上手く関われず情けなくて申し訳なかった。 

 

 それでもなんとかやっていたが、店長が代わり、歯がガタガタの宇宙人みたいな店長になってからが地獄だった。パワハラで訴えられたことのあるような人で、いつも死ねやらなんやら、誰かの愚痴を言っていた。仕事ができるバイトには優しく腰が低くかったが、仕事ができない、辞めてもさして損害の出ない私にはいつも不服そうに指示し、ミスしていないのに八つ当たりされて、泣いて帰ったりした。(シフト入りまくってた時期には「友達いるの?」とか聞かれて、それはおもしろかったwいる訳ねぇだろww)

 

   辞める時は、店長は人手不足を嘆いていたので責められそうで辞めると言う勇気が出ず苦労したが、正直に精神疾患白状して泣いてるみたいな素振り見せたら辞めさせてくれた。

 

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